ブレークタイム・コラム①

     進化論が生み出した悲劇

実際に進化論に立った人物が大きな悲劇を生み出した実例があります。20世紀半ばドイツのナチス党首アドルフ・ヒトラーは、ゲルマン民族こそが最も優れた民族であると考えました。障害者は進化の妨げになると考え、多くの人を虐殺しました。

日本でもその影響を受けて、1940年「国民優生法」が生まれ、「悪質な遺伝性疾患の素質を持つ」と見なされる者を国家の進化の妨げとなるとし、不妊手術をうながしました。その中には精神障害者や視覚障害者、ハンセン病患者なども含まれたのです。この法律は、1996年まで、形を変えて存在し続けました。

1997年に、当時14歳の男子中学生が小学生5人を殺傷した「神戸連続児童殺傷事件」という大きな事件がありましたが、犯人の少年は、エリート官僚の父親から進化論的思想を植え付けられていたことが知られています。


←前へ戻る↑次へ→