1954年9月26日に、函館と青森を結ぶ連絡船「洞爺丸」が台風の中、定刻より遅れて18時25分に函館を出ました。しかし、誰がその時に知りえたでしょう。洞爺丸は22時45分には沈没し1164名が死亡したのです。これは海難事故としては国内最大のものであり、世界で見てもタイタニック号事故に次ぐ大きな事故でした。
この船の中に、9月5日に家族で来日したばかりのアメリカ人のリーパー宣教師、またカナダ人のストーン宣教師が乗っていました。誰もが死の恐怖に襲われて絶望する中、二人は人々を励まし、救命胴衣をつける手伝いをしていました。またリーパーは子供に、ストーンは若い学生にあなたは「天国に行けますか」と問いかけ、答えの無い彼らに自分の救命胴衣を渡して、自らは海に沈んでいったのです。
彼らは自分の命を犠牲にして他の人たちを助けました。なぜでしょうか。それは二人が、彼らを愛し十字架で身代わりに死なれ復活されたイエス・キリストを信じており、たとい死んだとしても天国に行けることを確信していたからです。彼らは、罪人のためにいのちを捨てたそのイエス・キリストの愛を知っていました。ですから二人は、まだ救いを受けていない人たちが救われるようにと自分の命を捨てることができたのです。
「人が自分の友のためにいのちを捨てること、これよりも大きな愛は誰も持っていません。」(ヨハネ十五章十三節)