キリストの遺体は、アリマタヤのヨセフという金持ちの墓に葬られました。そして、墓の入り口は大きな石で塞がれていました。そして、ユダヤ教の指導者たちは、キリストが幾度も三日目の復活を語っていたのを思い出して、弟子たちが遺体を盗みに来ないようにとローマの屈強な兵士たちに墓の番をさせました。キリストの墓は、厳重に警備されたのです。ところが、キリストの墓からは遺体が無くなり、墓は空っぽになっていました。墓が空になった理由について考えられる可能性は、次の三つです。

キリストの墓は空になっていた


1.キリストの弟子が盗んだ。

2.キリストに敵対していたユダヤ人あるいはローマ当局が盗んだ。

3.キリストが事実、復活された。

まず、キリストの弟子が盗んだという説について考えてみましょう。そもそも彼らにはそのような勇気はありませんでした。なぜなら弟子たちは、自分たちの師を失って人々を恐れていたからです。「その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちがいたところでは、ユダヤ人を恐れて戸に鍵がかけられていた。」(ヨハネ二十章十九節)そのような弟子たちが、墓の番をしていたローマの番兵と戦うことなど到底出来ませんし、仮にローマの番兵を倒してうまくキリストの死体を盗み出したとしても、キリストが復活していないという事実を誰よりも知っていたことになる弟子たちが、その後、命をかけてキリストを宣べ伝えていったということは考えられません。人間は自分の身を守るために嘘をつきますが、嘘だと分かっていることのために命を捨てることは出来ません。

誰がキリストの遺体を盗んだというのか?

次に、キリストに敵対していたユダヤ人あるいはローマ当局が盗んだという説について考えてみましょう。もし彼らがキリストの死体を所持していたのであるなら、早々にそれを世間に公表していたことでしょう。なぜなら、キリストの弟子たちが宣べ伝えていた「死の力を打ち破ってよみがえられた救い主イエス・キリスト」を完全否定できる証拠となるからです。そして、弟子たちの宣教を簡単に阻止することができます。しかし、実際はユダヤ人もローマ当局もそうすることができませんでした。むしろ、彼らはクリスチャンの宣教を阻止するために、ひたすら迫害と処刑を繰り返し行い続けるしかなかったのです。ユダヤ人あるいはローマ当局がキリストの死体を所有していなかったことは明らかです。



『歴史の証言』、『聖書の証言』、『弟子たちの目撃証言』、『空になった墓の証言』の全てが、イエス・キリストの復活が歴史的事実であることを示しています。



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